2025/09/11 14:36
#NMNの散歩道(14)
―純喫茶―
早稲田の坂をゆっくりと下っていくと、古いビルの一階に、ひっそりと「喫茶 タビビトの木」がある。扉を開けると、外の世界とは違う時間が流れていて、空気が少しだけ甘く、静かに香っていた。
私はNMNをひと粒、口に含んでから席に座った。それは、体の奥にある小さな泉に、そっと水を注ぐような感覚で、心がふわりとほどけていくのがわかった。
店内には、旅の途中で拾ったような椅子やテーブルが並んでいて、壁には色褪せた地図や、誰かが撮った風景の写真が飾られていた。それらを見ていると、まだ行ったことのない場所の記憶が、なぜか胸の奥から湧いてくる。
アイスコーヒーを頼むと、ガラスのグラスに注がれたそれは、まるで時間を閉じ込めた液体のようだった。ひと口飲むと、遠くで波の音が聞こえた気がした。
隣の席では、学生らしき男の子が、分厚い本を読みながら、何度もページをめくっていた。その音が、店内の静けさにリズムを与えていて、私はその音に合わせて、ゆっくりと呼吸を整えた。
NMNが教えてくれるのは、「いまここにいること」の奇跡。そして、喫茶店のような場所が、その奇跡をそっと包んでくれるということ。
外に出ると、夕方の光が街を金色に染めていた。私はもう一度、振り返って店の扉を見た。そこには、旅の途中で見つけた「帰ってきた場所」が、静かに佇んでいた。
明日は、「風の記憶」
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