#NMNの散歩道（２５）

―アルプスの歌―

夏の甲子園。アルプススタンドから響く応援歌は、まるで誰かの人生を丸ごと抱きしめるような音だった。太陽の下で汗を流す選手たちの姿と、スタンドで声を枯らす人たちの想いが、ひとつの歌に溶けていく。

私は、テレビの前で冷たい麦茶を飲みながら、NMNの小瓶をそっと手に取った。それは、未来の自分に向けた静かな応援歌のようだった。誰にも見えない場所で、自分の体を整えることは、誰かのために走る準備でもある。

「アルプスの歌」は、ただの応援じゃない。それは、過去の自分が未来の自分に送るメッセージ。あのとき諦めなかったこと、あのとき泣いたこと、全部が、今の自分を支えている。

夕方、散歩に出ると、近所のグラウンドから、金属バットの音が聞こえた。それだけで、胸が少し熱くなる。誰かが夢を見ている音だった。

NMNの散歩道は、そんな音を聞きながら歩く道。過去の応援歌を、未来の静けさに変えていく道。

明日は、「雲の記憶」

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