#NMNの散歩道（２７）　

―水の気配―

水が足りない場所と、水が多すぎる場所が、同じ空の下にあるなんて、少し不思議だと思った。渇水に悩む町では、蛇口から出る水のありがたさを噛みしめていて、線状降水帯に覆われた町では、空から落ちてくる水に、ただ祈るしかない日々が続いている。

私は、ベランダの鉢植えに水をやりながら、そのことをぼんやり考えていた。水は、命を育てるものなのに、ときに命を脅かすものにもなる。それは、優しさと厳しさを同時に持つ、母のような存在かもしれない。

NMNの小瓶を手に取る。それは、体の中の水の流れを整えるような感覚で、自分の中の静けさを取り戻すための、小さな儀式だった。

ニュースでは、川が氾濫した映像と、干上がったダムの映像が交互に流れていた。どちらも、同じ「雨」の話なのに、こんなにも違う顔をしている。

NMNの散歩道は、そんな水の気配を感じながら歩く道。足元の小さな水たまりも、空の向こうの雨雲も、すべてが、命のリズムを教えてくれる。

明日は、「青い空の下で」

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